(結果はTBS、東日本・中部・中国実業団連盟他より)
・富士通(1位)
最後3チームのデッドヒートを制し、9年ぶりの優勝を果たしました。
正直な所いい意味で「いつの間にか」先頭に立っていたという印象が強いです。
今回チーム区間賞はゼロながら、全てが区間一ケタ順位で推移した事、
そして5区以降僅かの差でも先頭でタスキつなぎができた「勝負強さ」、
これが今回の勝利に繋がったのかもしれませんね。
大会前はノーマークに近い存在でしたので、今回の優勝は驚きでしたが、
選手個々の実力を考えると優勝候補と呼ばれたチームと遜色ありませんからね。
「各区間ブレーキ無くしっかり繋ぐ」駅伝の基本を全うしたレースだったのではないでしょうか。
・日清食品グループ(2位)
1区北村選手が3位スタート、2区ゲディオン選手で大差首位になる
計算通りのレース展開ながら、
4区保科選手が最初突っ込みすぎて後半失速(それでも区間7位)し
後続に追いつかれてしまい、
5区以降何度も仕掛けるも富士通、旭化成を突き放す事は出来ませんでした。
4区で追いつかれた事以外ほぼベストといえるレース展開で5区以降の内容も悪くなく、
区間賞無しながら優勝しても全くおかしくない内容だったのですが、
このチームはよほど「勝利の女神」に見放されているとしか思えませんね。
本当に何で勝てないんでしょうね…
今回の結果、チームのショックも大きかったと思いますが、
来年こそはこの借りを返して欲しいですね。
・旭化成(3位)
最後のデッドヒートで競り負け3位となりましたが、今年は見せ場十分の内容でした。
今年は3区間で区間賞と旭化成の区間賞自体が9年ぶりであります。
ちなみにその9年前は総合2位、その年は富士通が初優勝した大会であり、
何かの因縁を感じてしまいますね。
※当時は4区三木選手、7区佐藤信之選手が区間賞だったのですが、
参考までにそのときの富士通4区が福嶋正選手(現富士通監督)、
7区が藤田敦史選手(今回4区出場)でした。
話を戻しまして。
今回区間賞の3名が大野選手、岩井選手、佐々木選手と全て若手選手という点を見ても、
チーム内の世代交代がようやく上手く行きつつあるようですね。
最後は逆に若さが出てしまいましたが、まだまだこれから伸びていく選手ばかりです。
アクシデントで27位に沈んだ昨年は度外視しても、
近年は安定した成績が続いてますし、久しぶりの優勝の日も近いのではないでしょうか。
外国人選手無しでよくぞここまで頑張ってると思います。
・コニカミノルタ(4位)
1区に松宮隆行選手を配する「奇策」が当たり区間2位スタートでしたが、
(実際は体調不安等で1区に起用せざるを得なかったようですが)
2区ムワニキ選手が伸びきれず11位に。この時点で首位日清食品グループと1分08秒差と、
かなり苦しいレース展開を強いられました。
3区太田選手で3位に浮上するも前を行くHondaや日清食品グループとの差は40秒以上、
逆に後ろから来た旭化成からは追い込まれる展開に。
4,5区で先頭集団からはどんどん離されてしまい、
6区坪田選手が猛追するも時すでに遅し。最後まで首位争いに絡む事はできませんでした。
今回は何ともコニカミノルタ「らしくない」レースとなってしまいましたね。
一度流れを失うと、挽回は容易なものではありません。
・トヨタ自動車(5位)
上位チームとの争いにこそ最後まで絡めませんでしたが、
最後まで安定した走りを見せ、同地区のライバルトヨタ紡織に競り勝ち5位入賞です。
昨年、一昨年と不本意な結果に沈んでましたので、
久しぶりにトヨタらしい走りを見せましたね。
特に3区尾田選手が区間3位で6位まで引き上げた走りがチーム全体の流れを決めました。
ベテラン中心のチームですので、今回その経験が生きたのでしょうか。
・トヨタ紡織(6位)
優勝候補の一角にも上げられていましたが、序盤から10位台前半で推移する苦しい展開に。
4区中尾選手が世界ハーフ5位の実力を見せつけ区間2位・全体5位に上昇、
5区山本選手で一時4位まで順位を引き上げますが、6,7区が伸びきれず
中部地区のライバルトヨタ自動車に競り負け6位という結果でした。
昨年より順位を一つ上げましたが、もう一息といった感じでしたね。
こちらはまだ若い選手が多いですので、これからの成長に期待です。
・中国電力(7位)
東のコニカミノルタとともに2000年代の駅伝界を引っ張ってきた中国電力ですが、
今回は非常に苦しいレース展開を強いられました。
北京五輪マラソン代表の尾方選手、1区のスペシャリスト新井選手が今大会欠場、
1区抜擢の藤森選手が区間7位とまずまずのスタートを見せましたが、
2区のスピード区間で18位と置いて行かれてしまい、
3,4,5区で7位まで順位を引き上げるもこちらも優勝争いには最後まで絡めず。
途中まで競り合っていたトヨタ自動車、トヨタ紡織にも置いて行かれてしまい
最終結果は7位と2001年以来続いていた「連続表彰台」の記録も途絶えてしまいました。
1ヶ月前福岡を走った油谷選手(6区)も今回結果を残せませんでした。
駅伝とマラソンとの両立はやはり難しいのでしょうね。
・Honda(8位)
こちらも東日本を制し、優勝候補の一角と挙げられていました。
序盤から好位置でレースを進め、3区石川選手で先頭に立つ絶好の展開でしたが、
4区堀口選手のアクシデントもあり8位まで後退。その後も伸びきれず9位と入賞圏外へ。
最後7区池上選手の区間賞で入賞ラインの8位まで上げるのがやっとでした。
一つのアクシデントで一気に流れが変わってしまうのが駅伝の厳しさですね。
「たら・れば」は禁止ですが、アクシデントがなければ最後のデッドヒートに加わっても
おかしくない内容だっただけに、本当に残念でした。
こちらも日清食品グループ同様「初優勝」への壁は厚いですね。
・ヤクルト(9位)
このあたりは6チームほどが最後まで競り合う大激戦でした。
そんな中抜け出したのがヤクルト。中盤で順位を一時落とすも、
後半区間での追い込みは見事でした。
若手とベテランのバランスが良いチームでしたね。
・小森コーポレーション(10位)
最終順位は10位ながら今大会一番見せ場を作ったチームではないでしょうか。
2区ダビリ選手がスピード区間を制し区間賞で2位に上昇。
4区の最長距離区間でもエース秋葉選手が並み居る強豪選手相手に素晴らしい走りを見せ、
堂々の区間賞で先頭に立つ健闘を見せました。
5区以降順位を下げてしまいましたが、それでも過去最高順位を更新と
悲願の「初入賞」も見えてきたのではないでしょうか。
・JALグランドサービス(11位)
昨年28位から大幅アップの結果となりました。
1区のルーキー安西選手の区間4位スタートがいい流れを生みましたね。
アンカー高岡選手も最後の競り合いから3人を抜き11位と
過去最高順位(26位)も大幅更新です。
東日本勢は各チーム競争が激化している事もあり本当に力をつけてますね。
・JR東日本(12位)
創部6年目、チーム全員が20代と非常に若いチームですが、
着々と実力をつけてきていますね。
今大会も20位スタートから徐々に順位を上げ一時10位まで上昇する健闘を見せました。
最後は競り合いになり12位でしたが、今年も昨年に続き過去最高記録更新です。
日本人選手のみのチームでは旭化成、中国電力につづき3番目の結果となります。
これはチームにとっても自信となるのではないでしょうか。
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(以下九州勢のみ)
・九電工(13位)
1区岩永選手が18位スタート。2区カビル選手もハイスピードの争いの中
3つしか順位を上げられず15位。
以降上位争いには食い込めないままレースが進んでしまいました。
最後の競り合いでもSUBARUに先着したのみで13位。昨年より一つ順位を上げるも、
目標の入賞には届きませんでした。
東日本勢がかなり力をつけていますので、
来年以降も入賞への道は厳しいものとなりそうですね。
・安川電機(18位)
序盤出遅れてしまい3区まで25位で繋ぐ厳しいスタートに。
4区以降徐々に順位を上げますが18位まで上げるのが精一杯でした。
力があるチームだけに今回の結果はちょっと残念でしたね。
・SUMCO TECHXIV(27位)
1区田中選手が14位といいスタート。2区で23位まで下げますが
3区藤山選手が区間6位・9人抜きの快走を見せました。
しかし4区以降失速してしまいアンカー佐伯選手が2人抜きましたが最終結果は27位。
中軸の不振が響いた形となってしまいました。
大会半月前にノロウィルス感染の影響があったとはいえ
今年も20位以内の目標達成はならず。なかなか壁は破れませんね。
・西鉄(34位)
1区で大差最下位スタートとなってしまい、苦しいレースを強いられました。
6区久佐賀選手が34位まで引き上げそのまま34位でゴール。
九州大会で敗れた黒崎播磨には先着しましたが、目標(20位台)には遠く及びませんでした。
・黒崎播磨(35位)
1区は31位。2区エルティバン選手が5人抜きで26位まで順位を上げるも
区間16位の記録は彼の実力を考えるとやや「誤算」だったのかもしれません。
3区以降は再び順位を下げ最終結果は35位。
主力選手欠場の影響があったとはいえ、残念な結果に終わってしまいました。
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・全体総括
今年から区間変更となり、外国人選手が2区のみでしか起用できなくなりました。
しかし2区の区間記録上位19名は全て外国人選手で占め、
日本人1位選手(佐川急便・末吉選手と大塚製薬・山岡選手)と
区間賞のダビリ選手との差は1分48秒。僅か8.3kmでこれだけの差がついてしまいました。
ちなみに今回の2,3区は2000年までのコースの2,3区と同じですので、
区間記録は2000年以前のものをそのまま引き継いでいます。
2区の区間記録は旭化成・小島忠幸選手(99年)の23分14秒でしたが、
今回区間12位(勿論全員外国人選手)までがこの記録を更新しました。
それだけスピードの差はいかんともしがたいものですね。
逆に日本人選手のみになった他の区間、特に1区が重要となりました。
今回入賞8チームのうち6チームが区間1ケタで1区を乗り切りました。
いくら2区以降に力のある選手を揃えていても「逆転劇」は難しくなりましたね。
またスピードある選手が揃う3区、新最長距離区間となった4区でも
各チームの実力差が如実に表れましたね。
ここで力のないチームはどんどん振り落とされていきました。
方やこの区間で好走しても順位の大幅な上昇は難しいだけに
非常に厳しい区間ともいえそうですね。
結果として最後まで例を見ないほどの「大接戦」となり、レース自体は盛り上がりました。
これから先「大砲」より「層の厚さ」「安定度」に勝るチームのほうが
上位に食い込んできそうですね。
元日からいいレースを見せてもらいました。
最後に、経済界は「百年に一度の不況」とまでいわれています。
来年この中で果たしてチームそのものがいくつ残っているのか、それが一番心配であります。
経営悪化時、真っ先に切られるのがこのような「スポーツ活動」ですからね。
男子も女子も全チームが来年も存続している事を祈りたいものなのですが。
(追記)
東実サイトによると2000年以前と2区の距離が違うとのことで、
今回の区間記録は「新記録」とならないようです。
(旧…8.35km、新…8.30km)
となると3区の区間距離も違ってきそうなものですが。
【コラム・大会感想08年〜の最新記事】



